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 俺とラーメンズ日記


2006/6/11

 
KKP#5 『TAKE OFF』 6/10 本多劇場

 俺は神に感謝することがある。小林賢太郎と同じ時代に生きていることをな!!


 あああ、すっげえ面白かった。面白かったよう。


 見終わってから笑いすぎのあまり手が震えている、という状態は今回さすがに初めて経験しましたよ。特に客席の熱気が凄くて、つられてテンションがあがるあがる。興奮のあまり見終わったら死ぬんじゃないかってほどに。

 過去4回のKKPに比べて、ストーリー性は薄いです。偶然見つけた設計図を元に、3人の男が手作りの有人飛行機を作る、というそれだけの話。出演者はそれ以外に無く、他者の介入によって物語が奇想天外な方向へ飛んで行ったりもしないんだけど、展開や設定はこの際どうでもいい。

 場面ごとにそれぞれがきちんと繋いでいくボケが、あまりにも秀逸だから。
 演劇というより長いコントを見ている感覚。各自が少しずつ持っている「おかしさ」をこれでもかと畳み掛けてくる訳ですよ。

 特にアドリブらしき部分が多すぎて、どこまでが台本どおりなのか分からないという。そのぐらい演者3人の一体感が凄いってことなんだと思った。久ヶ沢徹の存在感は相変わらず圧倒的だが、それでも一人だけ浮いたりはしていないのだ。オレンジは所見だが安田ユーシよりは安心してみていられたし。

 確かにラーメンズ的とはいえない。世界観はあくまで現代日本だし、常識を逸脱したキャラ設定もされていない。
 でも俺はこんな小林賢太郎もまた抜群に好きで好きでしょうがない。

 クライマックスに至る盛り上がりはまた格別。もう手を叩かずにはいられないのです。いられないのですよ。


 良かった。お笑い好きやってて良かった。ラーメンズに出会って、小林賢太郎という才能を知ることができて本当に良かった。あの幸せな時間、あの場所に居られて良かった。ありがとう。なんかありがとう。

 むう、なにやら遺書みたいな内容になってしまった。
 でも北島マヤの母みたいにあの場で笑い死ねたら相当安らかに逝けた気がする。

 だが死なん。コバケンが次は何を見せてくれるのか、それを見届けるまでは! 
 俺はこれからも全力で観に行きます。


2006/5/19

 
DVD ラーメンズ第15回公演「アリス」

予約しなくてもちゃんと店頭に並ぶようになったなぁ・・・

 出たー!

 つーことで買ってきましたよ。ラーメンズ第15回公演「ALICE」のDVDです。

 ひょっとしてDVD化は第18回公演終了まで待たねばならないのか?という危惧もあったけど、無事単独発売されてなにより。いずれボックス仕様で再発売、なんてことになりそうだけどな。



 で、買ったはいいけど、どうも新鮮味に欠けるのは、WOWOW放映版のDVDを入れるために俺が自作したパッケージ(写真右)と酷似しているからに他ならない。コイツがずーっと俺の本棚に並んでいたので、新しく買ったって気が全然しないのだ。ひねりがないぞ、グッドデザインカンパニー。

 そういや今回からWOWOWレーベルでの発売になってます。そのせいか収録日も放映版と同じ。追加公演ではなく本公演が収録されないかなーとちょっと期待してたんだけど叶わず。幻の「片桐仁の顔が一瞬で赤くなる」芸を見られるかと思ったのだが。残念だ。そういやWOWOWでは放映されたフリートークもDVDには未収録でした。ああいうのこそホントに見たい部分だったりするんだけどね。
 
 Golden balls はまだかなぁ・・・。



2006/3/17

 
KENTERO KOBAYASHI LIVE POTSUNEN 「○ maru」 3/14東京グローブ座

 行って来ましたソロライブ。
 さすがに第二回公演ということで前回ほど「何が起きるか?」というハラハラ感はないものの、ライブへの期待は衰えず。

 今回は3列目のど真ん中っていう最高の席が取れたので喜びもひとしお。間近で見ると改めてコバケンでかいなーとか思った。

 さて内容はと言うと。
 やはり一回目の延長という感じではあったけど、前回感じたようなやや冗長な部分も改善されて、畳み掛けるように飽きのこない構成になってたんじゃないでしょうか。

 キャラクターを据えたシチュエーションコント的な要素は薄く、簡素な小道具と演技だけでめまぐるしく場面を変えながら小ネタを積み重ねていくような、そういうライブでした。

 で、なんにせよ巧い。何がっつーか全部。全部巧い。

 ますます一見さんを受け付けがたい雰囲気に昇華してしまった感は否めないけど、それでも小林賢太郎という才能に触れたいだけの者にとってはこれほど純度の高い舞台もないだろう。
 
 ああ、よかった。
 面白かった、のではない。よかったのだ。笑える舞台を観たっていうより物凄く良い風呂に浸かったような感覚だ。

 敢えてひとつだけ苦言を呈すなら、もう少し舞台の余韻を味わいたいかな、と思う。
 カーテンコールで登場してくれた時に、少しでいいから話をしてくれたらいいなぁと思うのだ。

 別にもうひと笑い欲しいって言うんじゃなくて、アンケート書いてくれだとかまた観に来てだとか次回はどういう公演を予定してるだとか、そういう「俺今日このライブ観に来て良かったんだよね?」って確認したいんですよ。

 本人がそういうフリートーク的なことを苦手(には見えないが)としているのも知っているし、コントだけで満足だろうと言われればそうなんだけど、でもこの会場にいるわずかな人数だけが共有した時間に特別な意味を持たせたいと思うのはそんなにワガママなことだろうか。


 まぁ何にせよまた観にいくんだけどね。

 次はKKPらしいですな。……なんかキャストを見るとまたも片桐仁の名前が無いんだけど。
 そろそろ「ラーメンズ」が観たいなぁ。



2006/2/22

 
大喜利猿 河出書房新社

 大喜利猿ライブって実はまだ見に行ったことがないんですよ。

 本になったってことでどんなもんかなーと買ってみたけど、内容がどうこうって前に、ただただこの場に居たかったなああああという羨望ばかりが溢れに溢れてどうしようもありませんでした。ぐふう。……面白かったけどね。

 内容は一人ごっつというかお笑いマンガ道場というか、とにかくひねりなく大喜利そのもの。改めてコバケンの画力の高さには感心させられます。どうして「猿」なのかもやっと分かったし。

 個人的に好きなネタは「例えを使ったレシピ用語」の「ここで一度サッとおいしくしてください」とか。何をしててもコバケンはコバケンだなぁ。

 でもこういうのって、いわゆる後乗せサクサクが一番おもしろいんだろうなーっていう空気が物凄い伝わってくるのでそれがもう悔しいやら悲しいやら。現場にいたら何倍も笑えただろうに。


 公式HPで次回の大喜利猿情報もアップされてますけど、札幌福岡って。

 仙台で、とは言わないからせめて首都圏で、願わくば休日にやってくれいー



2005/11/28

 
小林賢太郎ソロコントライブ「ポツネン」 11/26東京本多劇場

 観てきたー!!
 第15回公演、Golden Balls に続き今年三度目にしておそらく本年を締めくくるであろう小林賢太郎のライブです。

 この先は若干のネタバレを含みつつ感想書くのでご注意を。

 
 とりあえず、本人の弁を借りればコントの限界に挑もうというライブだったと言えましょうか。
 ひとりなので「姿の見えない何か」との対話で進むコントが主体なのは順当なところだけど、時には映像を使用したり、手元をプロジェクターで映したりして、普段と違うことをしようという心意気は感じた。尺も比較的長く取っていて、見応えとしてはGoldenBallsよりあったのではないだろうか。

 とは言いつつも内容はやはり余すところなくラーメンズ風味。この場合は小林賢太郎風味と言うべきか。いつにもまして観客自ら脳髄の空腹を埋めるために面白さを貪るような、あの感覚は何度味わってもたまらんなぁ。クセになる。なってる。 

 敢えて苦言を呈すなら、「上手くまとめようとしすぎてあちこち綻んでいる」感じは否めない。キレイにオトすためにフリが強引になってしまっていると言おうか。また映像を使ったコントについては、仕掛けに懲りすぎたせいでどういうことをしたかったのか見失っているのでは?という部分が見え隠れしてたように思う。

 ただ、「本来二人でやるべきコントを一人で間に合わせている」ような印象はなかった。ちゃんと一人用コントとして成立している。それはさすが小林賢太郎と言ったところか。

 全編通じて抱腹絶倒ってよりは溜めて溜めてクスリと笑うそういう感触。落ち着きすぎて物足りないという人も多かったかもしれないな。なにはともあれ「コバケンがなんかやる」と言われただけで既に満足してしまう俺のような人間にとっては夢のような時間だったと言えよう。ああ、楽しかった。

 ひとつ思ったのはやっぱり小林賢太郎がらみは何が何でも公演時に観ておかなきゃないなってこと。まだソフト化もされてない GoldenBalls からもネタを引っ張ってくるんだから、ちゃんと公演で観てないと笑いポイントを逃してしまう。
 ま、言われなくても行くけどな。
 
 あと、このライブを観て改めて小林賢太郎はボケたいんだなってのはよく分かった。

 これで今年も良い正月が迎えられそうだ。
 次は第16回がくるか? つうか来て欲しい。



2005/11/22

 
とうとう今週末はコバケンに

 明日の今頃はもう観た人がいるんだなーなんて思うともういても立ってもいられない気分。

 そんな訳で指折り数えて待っていた小林賢太郎ソロコントライブの開催が迫っております。
 俺も土曜26日公演のチケットが取れたので今週末には東京へ出向く予定だけど、一ヶ月前より今現在の方が遥かにソワソワしてる感じ。ああ早く小林賢太郎が観たいよう。

 ソロ公演は初だといっても、実際ラーメンズとしての本公演でもほとんどひとりでこなすコントが少なくないだけに、感触的にこんな感じか?ってのはなんとなく予想できる。
 そんな小賢しい予想を大きく上回るような舞台だったら感激だけど、例え想像どおりだったとしても十分満腹になって帰ってくることだろう。つくづくダメなファンだ、俺は。

 土日と休みを取るために明日は出勤。でもいいの。コバケンの舞台を見るためだから。

 それまでは完売劇場のDVDでも見て我慢します。ある意味生殺しともいえるのだが。



2005/10/10

 
エレ片(ネタバレ)

 俺はラーメンズが大好きだけど、それは強いて言えば小林賢太郎のファンであるという延長線でのラーメンズ好きなので、本音を言うと片桐仁の仕事はあんまり真剣に追ってなかったりする。すみません粘土道も買ってません。 

 で、このエレ片というのはエレキコミックとラーメンズの片桐仁がユニットを組んで行われたライブのDVD。

 存在は知っていたけど前述のとおり範疇外なので、ちょっと興味はあるけど買ってまで見たものかなぁと思案中のところ、近所のツタヤがフツーにレンタルしてたのでラッキーとばかり借りてみたのです。2、3年前なら絶対こんなマニアックなもの入荷してなかっただろうな。さすがお笑いブームは伊達じゃねぇ。

 さて肝心の内容はどんなもんかというと。
 ほぼ即興に近いライブだということで良くも悪くもドタバタしてとりとめのない感じだったが、それはそれで面白かった。エレキコミック風味が前面なのは仕方の無いところ。ラーメンズという空気感は期待して見ないのが吉。片桐仁のガンダム好きは同じ趣味の者としてよく分かるんだけど、加減は必要だな。「そのギャップが面白い」というキャラでもない訳だし。

 むしろ一番面白かったのはその場にいないコバケンいじり。
 3人の目を通して語られる小林像が予想内だったり予想外だったりで、その意味じゃコバケン好きも見る価値はアリと言えようか。


 そういやエレ片とは直接関係ないけど、最近仙台でも「落下女」が始まりまして。 
 あの番組、ちょっと痛すぎて見るに耐えないのは俺だけか。



2005/8/7

 
ラーメンズPresents Golden Balls Live 8/6 14:00 天王洲アイルアートスフィア

 土日利用して観てきたぞラーメンズ。
 今回はじめて東京モノレールにも乗りました。ふつうでした。

 (以降ネタバレとか)


 3階席ってのがさすがに遠いかなと思ってたけど、それほど舞台から離れているという印象も無く、正面だったことも幸いして良く見えた。

 ラーメンズライブでもプロデュース公演でもないという全く初の試みに、何が巻き起こるのかいろんなことを想像していたが、良くも悪くもそれらの延長線上にあるライブという印象だった。初期のころの複数人コントを、衣装と舞台演出に凝ったものという感じだろうか。

 シチュエーションコントという意味ではドリフを髣髴とさせる。小林賢太郎のつくるドリフのコントと言われれば新鮮な響きになるけれども。実際きちんと女装した小林賢太郎とかハゲズラをかぶった久ヶ沢徹という絵は何か貴重なものを見たような気にさせられる。

 ただ、全体に手探り感はなくもない。プロデュース公演でも第一回公演である「goood day house」に漂っていた些かのアンバランスを今回も感じた。
 これはラーメンズのコントにおける「非日常の中の日常」に、それを否定するツッコミ役が付加されたことによって、コバケン特有のオチの弱さがやや浮いてしまった結果ではないか。ラーメンズという空気感だけで楽しめない人は物足りなさを持ったかもしれない。

 せっかく各コントが少しずつリンクしているのなら、通じての大オチが欲しかったかな。

 いや、物凄く楽しませてもらったけどね。
 俺はもうラーメンズに檄甘の悪いお客さんなので、とにかくなんでもいいから我々に何か見せようと思ってくれてるなら、不満なところも満足してしまう性質なのだ。困ったもんだ。

 でも見逃した要素はたくさんありそうな気もする。即日ソフト化を所望。早く早く。



2005/3/9

 ラーメンズ第15回公演「アリス」 仙台市青年文化センター

 行ってきました仙台公演。
 「アリス」は本多劇場で一度観ている訳だが、せっかくラーメンズが地元に来るってのに行かない道理があるものか。
 やはりライブと言えば生もの。同じ公演を二度観るのは初めてなので、回数を重ねて舞台がどう変化しているのかも興味をそそられるところ。

 平日19:00に青年文化センターってのは今の職場からだと結構厳しい時間なので、大雪でも降ったら即アウトという状況の中、どうにか天候にも恵まれて時間どおり会場へ。
 地元ながらもともと舞台を見にいったりする方ではないので、この青年文化センターにも初めて入ったのだが、さすがに本多劇場に比べると相当広い。うかつに座席側が横に長く、番号が浅かったので些か妙な角度で観ることになってしまったが、まぁ舞台から割と近い位置だったのでそれはそれで良し。

 内容について言うと、コントのラインナップや構成にはとりあえず変化なし。しかし何度見ても面白いことに違いはない。再び幸せな時間を過ごさせてもらった感じだ。東京ではハプニングがあって最後まで見られなかったコントのオチも見ることが出来たし。
 特に小林賢太郎においては地方公演だからなのか何なのか定かではないが、とにかく絶妙な力の抜き加減でアドリブもやりたい放題だった。地方ではいつもあんなもんなんだろうか。
 おかげで普段とやや違うラーメンズを堪能できたが、尺を使いすぎて会場の撤収時間ギリギリまで食い込んだらしく、後説は短めに切り上げられてしまったのが残念。まぁそこは良し悪しということで。

 とても楽しませてもらったが、難を言えば一回本公演を見ていたからこそ楽しめた、という感は否めない。会場が大きいということはそれだけ舞台の動きが掴みづらいということに他ならない訳で、特にセリフは完全に拡散してしまって全く聞こえない部分があったりする。二度目だからこそ何が起きているのか分かってたけど、初見だったら意味不明なこともあったかもしれない。加えて、ラーメンズのライブ……というよりラーメンズを見ること自体初めてだという人が多いのではないか?という感触を客席から感じた。端的に言うと
ウケ過ぎなのだ。そのタイミングにも割とバラつきがあって落ち着かなかったり。うむむ。

 結論。公演は可能なら何度でも見たい。出来れば会場も変えて。でも、やっぱり今後も東京に観に行っとくべきだと思った。

 帰りは一緒に観に行った友人と共に久々にガンダムショットバーへ赴き、「赤い彗星」や「オデッサ作戦」で乾杯しながらラーメンズ談義で盛り上がってきたのだった。「黒い三連星」にも初挑戦。いっこかなりキツめなのがあったがあれがガイアだかマッシュだかは不明。これでようやく2回目ってことは軍曹への昇進は遠そうだなぁ。


 おなじみのアンケートには、「ラーメンズがラーメンズである限り、俺は
必死で観に来ます」と偽らざる本心を書いてきた。
 これからもラーメンズはラーメンズでいてください。



2005/1/23

 
ラーメンズ 第15回公演「アリス」 東京本多劇場

 待ちに待った本公演だー! ヤホー!
 ホントこの日が来るのを待ちわびること早や一年。

 今月から仕事が変わった事もあって、あんまり無茶な休みの取り方も出来ないんで土日を使っての強行軍。一応秋葉原にぶらりと立ち寄ったぐらいで、今回は渋谷やら池袋やら中野やらに行く時間は取れず終いでやや残念。

 ま、それはそれとして、肝心な公演の方はと言えば。

 いや、もう。とりあえずただあの場に居られた幸せに感謝するばかり。面白かったなぁ。

 今回は特に、ラーメンズ曰く「10年やってて初めて」というハプニングであわや公演中止か?という事態があったので、なんとか最後まで見られて一安心。お詫びってことで普段より長めのフリートークが聞けたりと結果的には嬉しいオマケがついたので逆に得したかもしれない。片桐仁から「今日のことは絶対誰にも言わないで」と言い含められているので、何があったかはここでは語らないことにする。

 内容もネタバレになるから書かないが、気持ち若返ったかな?という雰囲気のベタなボケが随所に炸裂したような印象だった。

 また今回なんとなく思ったのは、ラーメンズも人の子だってこと。どこか達観しつつ絶対の自信を胸に淡々とコントを世に送り出しているようなそんな佇まいにも見えるが、やはりその実は数多の芸人と同じようにウケるかウケないか?と常に気にしながらコントをしているんだなぁと。
 今回のフライヤーでコバケン自身が「10年やっても10年じゃ何も分からないことしか分からない」と語っているが、むしろ観客のひとりとして、受け取れていないのではないかという不安を感じさせていることを申し訳なくすら思ったりする。また反面、願わくばこの先も「何も分からない」と模索しつづけるラーメンズであって欲しいとも思う。俺はそんな風に、演者と客が魅せよう魅せられようとせめぎあう感覚が好きで好きでたまらないのだ。

 帰りの新幹線は例によってケツの辺りがむず痒くて仕方がなかった。公演は終わったというのに俺自身まだ何かをやり残しているかのような、落ち着かない感覚。東京を離れるのがこんなに名残惜しいのは初めてだ。

 絶対また見に行くぞ、ラーメンズ。



2004/7/10

 
KKプロデュース#4「レンズ」東京サンシャイン劇場

 思えばここ10年ぐらい生きてきて一番キツい一週間だったかもしれない。
 月曜辺りからどうも咽喉に違和感を感じて、医者へ行ってみたらば案の定気管支炎。よりにもよって土曜には東京へ行ってKK公演を見なければならないというこの時期に。しかし一日有給を取って3連休で遊びに行くんだーなどとうっかりと社内でも浮かれ気味に公言してしまっている手前、週末に体調を合わせるため休みますとはなかなか言えず、体中のエマージェンシー(粗相など)を無視して働きつづけた結果、金曜には我ながらちょっとヤバいレベルの発熱に襲われた。しかもその日は午後から外せない仕事があって、何としてもそれを乗り切らないと東京行きもままならない。仕方なく朝から会社近くの医者へ行き、「頼む!今日一日だけ動けるようにしてくれ!」とスポ根漫画みたいなことを言って一発点滴を打ってもらいどうにか仕事をこなしたのだった。
 そういう幾多の困難を乗り越えてやっと観ることが出来た公演だったので、感慨もひとしお。見終えた時には色々感極まって泣いちゃうかと思った。

 で、肝心の内容だが。

 設定は椎名林檎の「百色眼鏡」の世界観を踏んだものだということで、一応舞台を見る前に予習視聴してみたが、まぁ内容も含め別に見てなくてもどうということは無いと思われた。

 今回の公演では別の舞台に出演中のため片桐仁が不在。しかしその分存分に小林賢太郎と他の出演者の絡みが拝めて新鮮だった。ああ、コバケンと久ヶ沢徹が同じ舞台に! その久ヶ沢氏も#2、#3同様例のキャラで、余すところなくバカ振りを発揮。

 ただ、間の取り方で笑いを誘うような部分にやや頼りすぎたかなという印象がないでもない。出来ればここでもう一言畳み掛けて欲しいなーという部分を顔を見合わせるだけで流したりするのが勿体無かったかなと。

 まぁ何はともかくあっという間の2時間だった。そろそろライブが恋しくなってきたなぁ。



2004/4/27

 小林賢太郎プロデュース公演「Paper Runner」4/24 本多劇場

 チケット取れたんで行ってきましたコバケンプロデュース公演。
 1月のラーメンズライブと同じく下北沢は本多劇場。開演も同じく夜7時だったので、これまた前回同様「王将」で飯を食ってから劇場へ。しかし値段から考えると王将の餃子はうまいな。仙台にも出店してくれたらいいのに。

 「ペーパーランナー」というタイトルからして例えば「理論だけ完璧なマラソン選手」とかそういう方向の話を想像したのだが全然関係なかった。舞台は漫画雑誌の編集部で、締め切り間際に逃げ出した大物作家の代わりにたまたま持ち込みに来ていた漫画家志望の男が代原を任される、というストーリー。

 というのは単にシチュエーションだから正直どうでもいい。今回は畳み掛けてくるボケの数々に笑かされただけでもう十分。キャスティングは「Sweet7」とほぼ同じで演じるキャラクターも大差ないのだがこれといって気にならず。筋肉さんが格段に馬鹿になっているのが印象的であった。
 本筋と関係ない後ろの方でこそこそ誰かが何かやってるかと思えばいきなりそこへ話題が飛んでみたりするので、ひょっとして何かもっと笑いポイントを見逃したのではないかと見終わってからもケツが落ち着かなかった。うーん、いいものみたなぁ。すげぇでは言い表せないので超面白かった。

 ラーメンズのライブとは別物と考える人が多いみたいで、座席こそ埋まっているもののライブの時のように通路まで人があふれるような事はなかった。確かに別物ではある。プロデュース公演が飛燕ならラーメンズライブは燕返しのような。ガードをすり抜けてくる意外性には乏しいが、でもそのジャブの連打には小林賢太郎が磨き上げてきた拳の重みが確実に乗っかってて、そんなコバケンの仕事も俺は大好きだったりする訳だ。

 その日帰ってから見た「エンタの神様」が凄まじく物足く感じられる程度には。



2004/1/13

 ラーメンズ第14回公演「Study」 1/11東京本多劇場

 連休使って東京に住む友人を訪ね、念願だったラーメンズのライブを見てきた。
 
 ここ最近ライブ活動が軌道に乗ってしまってテレビへの露出がめっきり減ってしまったので、個人的なラーメンズ分不足をビデオやらDVDやらを買って補っていたのだが、WOWOWにて小林賢太郎脚本の舞台「Sweet7」を見るに至っては色んなイミでこれはやはり生で見ねばならないと決心した次第なのである。元来が出不精な上にライブってものへの興味が全く無い人間だったので、実はコレが自分でチケットを買って見るライブとしては初めてだったりする。

 公演が19:00からと若干遅めの時間だったので、本多劇場のある下北沢をふらふら徘徊し王将で夕飯を食ってから会場へ。それにしてもさすがプレミアチケット。座席は当然満席な上、通路階段にまでビッチリ人が座りその隙間に立ち見客という有様。もう途中で催してもここでするしかないような状態だった。そうか開場前のトイレの行列はこういうことだったのか。席は結構後ろの方だったけど、もともとそんなに広くない劇場なので特に舞台から遠いという感じも無く。逆に舞台全体が視界に入るんでベストポジションだったかもしれない。

 で、肝心の内容はどうかと言うと。いやーまずは最高だった。こういう会場の空気に慣れてないせいもあるんだろうが、妙に高揚して必要以上に面白かった。この皆一斉に笑う感覚がたまらん。時々前の方の客をイジったりするのも現場にいるのだという空気が感じられて得した気分。ああ俺今この会場の一部になってる。

 コントは全部で7本。タイトルが「Study」だけあって、一瞬考えるようなネタも結構あった。論理パズルの明快な解答を探しているうちにネタがどんどん進んでしまうので、思考を置き去りにして片桐が小林に騙されてることを勢いで笑わせられてたのがちょっと悔しい。さすがに4連続ギリジンの登板はなかった。形式でなくキャラクターでシリーズ化させるのはあまりないので、ひょっとして定番ネタとして残していくつもりなのかと思ったりしたのだがそういうわけでもなかったみたい。ただああいう片桐野放しみたいなのは好きなのでいずれまた見たい。全体としては、回を重ねるごとにコントを裏打ちする演技力が冴えてきて、何やら魅せられっぱなし。飛びぬけて破壊力のあるネタは無かったが、あっという間でしかし物足りないという気もしない充実の2時間だった。とりあえず後説見られただけでも行った価値があったと言うもの。

 余所の感想ページとか見てると期間中4回も5回も公演見てるヒトとかいて羨ましい。仙台で公演してくれんかな。5回はさすがにいかないけど2回ぐらいなら観てもいいなぁ。次回公演もなんとかして来たい所だが果たして。


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