仮面ライダー響鬼 三十五之巻 「恋する鰹」 アームドセイバーによる声の音撃初披露。……うーん。CMの方がよほど迫力あるって問題だと思う。あと装甲響鬼の音撃打も初披露されたけど、叩きすぎなんじゃないのか? 音撃弱くなってないか。セミ怪人が強いのか? さてスランプ鋭意続行中のトドロキ。烈雷の整備不良を怒られてるけど、そういうのってサポーターたるザンキさんの役目って気もするが。 そのザンキさんは、鬼のように数々の恋と多分同じ数の失敗を経験した師匠として、「日菜佳ちゃんと仲直り作戦」をトドロキに伝授。案の定失敗する。つーかザンキさんはこのままコメディリリーフと化して行くのだろうか……。 尋常でなく壊れてるトドロキ師弟の裏で、香須実とおやっさん一緒にいるところを「男が出来た!」と誤解したイブキが地味に腑抜ける。これ以上使えなくなってどうするか。 ところでヒビキさんは安達家に住みついちゃってますか。もしかして。 「青春ひとりじめってのはどう」 「……わかんないです」 なんだかんだ言いながら間の取り方は全体的にイイ感じになっていると思います。 埠頭での鬼反省会も反復具合が絶妙だし。 明日夢のよっしゃー!を受けて、手に掛かっちゃう彼の芸も細かくて良い。 久しぶりにヒビキの大人らしいところも見られて良かった。できれば明日夢の方も、ヒビキのアドバイスによって自分から事の真相に向かって欲しかったところだけど。 「光り物がいいって言ったのは、お寿司が食べたいっていう意味で……」 ええええ!? つーかある意味カツオで正解なんじゃん! じゃお似合いだオマエラ! ……あの、ところで予告に変身忍者の姿が見えたんですけど。 何処へ。何処へ逝くの響鬼は。 仮面ライダー響鬼 三十六之巻 「飢える朱鬼」 結局京介が何をしたいんだかさっぱり全くわかんないなぁ。ヒビキの弟子になりたいの? ヒビキとお友達になりたいの? お父さんが欲しいの? 何? 鬼の秘密に迫りたくて明日夢やあきらの周りをウロウロしてるなら、あまりにもアプローチ下手すぎると言わざるを得まい。あきらはモッチーとは違うぞ!(←失礼) 手先は器用なのにねぇ。 とは言いながら京介に痛いところを突かれたあきらは、ここのところ魔化魍戦でもパッとしないこともあいまって苦悩中。イブキの慰めに対しても「お坊ちゃんには分からないです(意訳)」と聞く耳持たない様子なので、しばらく苦労人(ザンキ)のところへ預けられることに。うむぅ、単純なトドロキの制御も時々ままならない人なのに、果たして思春期を扱えるのだろうか。 さて一方で、吉野の神社から デザイン的にとか脆過ぎるだとか鬼の鎧には突っ込みたいこといっぱいだが、そのことは先ず置いといて今回特筆すべきは初の女性による鬼、朱鬼の存在でしょう。 どうも洗練された響鬼造形の中にあって、あのころころした朱鬼の造形が限りなくダサく見えるのは俺だけ? 女性という記号だけでむやみに細かったり凹凸を求めたりするのは間違っているだろうが、じゃあ腰巻とかもやめてください。あれがいかん。どうもいかん。 また音撃武器もハープみたいなので女性らしさを強調してはいるが、いずれにせよ本体のデザインにマッチしてない気がする。 ただでさえ鬼の鎧が結構キツいのに。 ところで裁鬼はやっぱり入院ですか? 仮面ライダー響鬼 三十七之巻 「甦る雷」 朱鬼が猛士を除名された原因が「斬鬼もろともノツゴを倒そうとしたから」だっていうのはちと厳しい気がするな。まだ今回のノツゴ戦で犠牲者を出さず撃退できたというのなら話だが、やっぱり鬼ひとり失ってやっと勝てる相手だったことに変わりないんだから。 極端な話、倒せるチャンスを活かそうとしたことを誉められたっていいぐらいなんじゃないか。その辺どうよ。 何はともかく、トドロキを苛めたカドによりとうとう「鬼祓い」の対象になる朱鬼。手を下すのは宗家の鬼である威吹鬼の使命なんだそうだが、いくらしきたりだからって人選は見直すべきだと思います。 それにしても朱鬼の存在って一体なんだったのかなぁ。 魔化魍退治に手段を選ばないというスタンスの割に、一応あきらには「逃げろ!」とか言ってみたりするんだよな。でもいざ捕まるとチャンス!ってもろとも葬ろうとするし。いっそすかざすあきらをノツゴに放り投げて隙をつくるぐらいしてたら面白かったのだが。そうでないと、鬼の力だって結局は魔化魍退治にしか向けていない訳で、それを悪用とまでいったものかどうか微妙な線だと思う。 いずれにせよ「憎しみ」の是非を表現するには立ち位置が曖昧すぎたのではないか。結局あきらには良し悪しのどちらも見せられていないような気がするけど。 あと、誰の音錠でもいいならザンキのをトドロキに貸しとけばいいのでは。 なんだ。京介の目的って鬼になることなの? なんか意外とつまらない結論だな。 今までの意味深なセリフが、ただのフィーリングで言わせただけのものじゃありませんように……。 仮面ライダー響鬼 三十八之巻 気を使ってる割には「君は必要ない」とか「ホイッスルもイマイチ」とか歯に絹着せぬ言動が気になる部長で。「補欠は不参加」だけで説明としちゃ十分だと思うぞ。 そんな明日夢に怒り心頭のみどり。つっても明日夢は部長に男として何を言い返してやるべきだったかな。「ボクのホイッスルはイマイチじゃないやい!」ってか。……それも男としてどうなのか。 あの校舎をどうやってリザーブしたのかとか、あきらのことを聞くだけならわざわざ来なくても電話で十分だろうとか、気になる部分は置いといてみどりさんの補欠強化合宿開始。いままで吹奏楽部内での明日夢っていう描写がほとんどないだけに、補欠の人たちがどういうスタンスで合宿に来ないのかは不明。京介の指摘があながち的外れでないかもしれないってのは物悲しい。 さて今週は別々の意味で師弟関係に悩む鬼たちのエピソードでもありました。特に古参の鬼としてイブキやトドロキを叱咤するザンキさんの姿は、死期が近いことを暗示するかのようで不安になります。 師匠と弟子としてこういった壁にぶつかるエピソードが、ヒビキと明日夢の間で描かれないっていうのは開始当初の予想と若干外れた部分。まさか3クール消化していまだ明日夢がくすぶっているとは思わなんだ。こうなると結局弟子にならないまま終わるってのも十分ありうる展開って気がする。まぁでも次回はとうとう明日夢も「始まる」らしいのでそこは期待大。 ひょっとして2年目の展開に期待するってこともアリなのか? そう思っていいんですかバンダイさん。 一方で魔化魍ヨブコは「あらゆる音撃が効かない敵」というストーリー上でも重要なキャラのはずなのだが、どうも造形として煮え切らない感じ。カシャぐらい突き抜けてるわけでもないし、知名度の微妙な妖怪をモチーフにしちゃってるので「こうアレンジしたか!」っていう意外性にも乏しいのが残念。 言われてみりゃひとみはまだ猛士のこと知らんのだな。トドロキの従姉妹っていう設定も今後意味を持つのだろうか? 仮面ライダー響鬼 三十九之巻 「始まる君」 「おーっ!?」とか「えーっ!?」とか、明日夢の素直なリアクションが妙に新鮮。 先週魔化魍勢に攫われた明日夢とみどり。そして魔化魍に敗れ負傷したヒビキ。逃げるあきらと逃げられるイブキ、そしてザンキさんに冷たくされてやさぐれるトドロキ。ほんの数週の間にボロボロの猛士だが、今週は皆がそれぞれ回復を果たす復帰編といったところでしょうか。 中でもトドロキが良かったなぁ。雨の中、ザンキの助けを拒み自力で立とうとするトドロキの姿が物凄く感動的。 立ち直るきっかけがあまりにも馬鹿くさいとは言え。そこはまぁ単純なトドロキのことですから。 イブキとあきらはこれで仲直ったってことなのかな? あきらの失踪って、なかなか鬼になれない焦りや苛立ちに端を発したものだったと思うけど、「鬼になるかどうかは君が決めるんだ」っていうイブキの言葉があきらの何に対して解答したものなのかよく分からない。自分はヨブコに立ち向かって返り討ちにあっただけだしなぁ。うむぅ。 さて倒れたヒビキも脅威の回復力で再び戦線へ。実際普通よりは丈夫に出来ているだろうけど、ここはもっと「傷は癒えてないけど明日夢とみどりのために無理を押して行くのだ」みたいな感じを出して欲しかったかな。そうでないと前半の負傷した描写が活かされないのでは。 童子と姫が無防備な明日夢たちを放置して響鬼へ向かうあたり、あくまで人間に「食糧」以上の価値を見ていないってことだろうか。これを人質に響鬼の行動を封じようなんて微塵も考えてないみたいだし。いまや魔化魍は自然発生的なものではなく、明確な理性によって生産・育成されているわけだから、その目的についてそろそろ片鱗ぐらい見せてくれてもよさそうだ。 特筆すべきはやっぱり、ようやく呼称が「明日夢」に変わったことでしょうか。劇場版に追いついたところで次回はオロチ登場だと言うし、残り1クールなんて寂しすぎるようスンスン。 「そんなんで務まるかな、鬼が」 いや、まぁ、トドロキでも務まるんだしねぇ。 仮面ライダー響鬼 四十之巻 「迫るオロチ」 こんな流れで弟子になりたいとか言われてもな……。 まぁそういう感じでとうとうヒビキに弟子入りを志願する明日夢な訳だが。うーん、これでいいのかなぁ。明日夢的に「弟子になる」=「鬼になる」=「魔化魍と戦う」っていうところまで思考が及んでいるとはとても思えないんですけど。京介に先を越されたから慌てて言いに行くって。おい。 先週の様子からザンキとトドロキのコンビ解消なんてこともあり得るかと思ったが、サポーターは今後も続けるらしいのでもうちょっと活躍が拝めそう。良かった良かった。 あきらの方はどうかというと、どうも瀕死イブキのお言葉は届いてるんだかどうか分からない感じ。明日夢と京介を弟子に取ってみたり。ていうか明日夢はヒビキの弟子がどうこう言う前に自分を持つことから始めないとダメだと思うぞ。 さて今回は「コダマの森」なる謎の空間が出現。どうも魔化魍オロチに関わる前兆らしいが、これは「洋館の男女」の策略ではなく、彼らですらこりゃヤバいと懸念する事態のようだ。 それにしても敵がスーパーになってからこっち、威吹鬼も轟鬼もまったくいいところないな。もはや魔化魍に対しては応援を呼ぶことの方がスタンダードになりつつあるし。 そして遂にあきら変身! うっすら見えた感じでは威吹鬼の配色に近いっぽいが果たして。 いや色はこの際どうでもいい。重要なのはデザインだ。 デザイナーがあきら変身体に関して朱鬼とは違う価値観を持っていることを切に! 切に望みたい! 頼む! 仮面ライダー響鬼 四十一之巻 「目覚める師弟」 ぎゃぼー(のだめ風) あきらはそうきたかー。ぬぐぐ…。 いや、至極残念ではあるのだけど、物語として非常に真っ当な結論って気もするので複雑。 実際の話、変身体一歩手前のところまで修行を積んでいる割に、あきらの戦闘力は低すぎるしな。いくら音撃射を専門にしていても、現場ではほとんど肉弾戦を強いられるのが常だってことを考えると、やはり鬼として戦列に加わるにはやや心許ないと言わざるを得ない。まぁまだ若いんだし今後の修行次第ってこともありそうだけど。 ただザンキさんの例もあるように、変身するだけでも肉体的に何らかの無茶を強いているであろうことを考えると、どうにか鬼になれたとしてもその後の戦闘に彼女の華奢な体が耐えうるかどうかは疑問だ。むしろDAを使役できることを生かしてサポーターに回る方が向いているのかもしれないね。 ……なんて、一応聞き分けのいいことを言ってみたところで。 やっぱりあきらが鬼になって活躍するところがみたかったー! いいじゃんそこはさぁ、ファンタジーでも。ダメ? ダメなのか? えーっと、あと何があったっけ。 ああそうだ明日夢が正式に弟子になったんだったな。うーん。こっちはこっちで思ったよりあっさりしたもんだった。ヒビキさんの言う「強さに憧れてるだけって気がする」が全くそのとおりに見えるので何とも……。 両親を殺されているあきらに対して「憎しみで鬼になるな」と説いた以上、明日夢に「誰かの死」を契機とする決意を固めさせることはできないだろうってのはいうのは分かるんだが。それならばブラスバンドでレギュラーになれなかったこととか京介の存在とかがとても余計な気がする。他にやることなくて鬼になろうとしてるように見えちゃうんだよなどうしても。 コダマの森に入った人にコダマの森に入るなという忠告をするためコダマの森に入る人たち。 いや、いいんだけど別に。 仮面ライダー響鬼 四十二之巻 「猛る妖魔」 先週遂にヒビキの弟子になれた明日夢と京介。早速鬼としてのトレーニングが開始されたわけだが、もはや疑いなく運痴たる京介はついて行けず。 毎週楽しく響鬼を見てきた者にとっては「鬼の修行って結局こういうことなんだろうな」ってことであまり違和感ないのだが、「もっと神秘的なものだと思ってた!」とかいう彼の発言を聞く限りでは、どうもダーマ神殿で転職するぐらいの感覚でいた様子。そこから鑑みるに京介が鬼になりたい理由って、父親を超えたいとかどうとかいうより自分に足りない体育系の能力を安易に得たがっているだけなのではないか。 そもそも何を根拠にしているのか分からない彼のプライドを考えると、ヒビキが明日夢を正式に弟子として選んだ場合は魔化魍側に寝返って敵になる、なんて展開がありそうな感じだな。魔化魍勢が食糧以外の意味で彼を欲しがるかどうかが難点か。 いずれにせよ弟子入りを後押してしてくれたあきらに対してあの暴言はないだろう!あきらはな! あきらはなぁ!(落ち着け) ところでオロチって、魔化魍の名前じゃなく魔化魍が大量発生するっていう現象の名前だったのね。劇場版は完全にパラレル扱いなのだな。 で、順当に猛威を振るうオロチ現象により100年に一度のオトロシまでも再登場する有様。 「僕とイブキさんでなんとかしますから!」 弟子の指導にあたるヒビキのためにそう宣言するトドロキだが、その矢先そんなオトロシに踏んづけられて虫の息。かつてこんな説得力のある地味な負傷に倒れたライダーがいただろうか。 ……でも再生魔化魍はやっぱり弱くなってるようで。あれだけ猛威を振るったオトロシだって威吹鬼で倒せちゃうぐらいだしな。 仮面ライダー響鬼 四十三之巻 「変われぬ身」 前回のオトロシによる負傷で、再起不能を宣告されるトドロキ。 もう二度と鬼になれないと知りいきなり殺してくれとか先走っちゃうのはトドロキっぽいが、やはり少し飛躍しすぎてる感触もある。 今にして思うと、案外じっくり人物描写をしているようでも肝心な「鬼として戦う動機付け」の部分では掘り下げがイマイチか。鬼として戦えないことが死に等しいとさえ思っている、それだけの決意に対してもうちょっと事前に説明が欲しかった気はするが。 こういう極限状態にあるとやっぱりトドロキにとっちゃまだ日菜佳よりザンキさんなんだなーということはよく分かるけども。 実際オロチ現象が進行し確実に人手が必要になっていると思うが、事務局長は何をしておられるのだろう。早く鬼集めなきゃ。それとも関東全域でオロチが起こってて、各地で対応してんのかな?それならそれで、そういう描写をそろそろ挟んでくれてもよさそうなものだ。現在の状況がどれほど疲弊してるのか分からないと、動かない足を引きずってまで戦線に復帰しようというトドロキの姿にもうひとつ説得力が乗らない気がするのだ。ついでにザンキがみたび鬼として復帰しなきゃいけないことについても。ああ、死なないでザンキさん。 「お前は十分がんばったじゃないか」 今回はいいところを持ってくヒビキ。本当は折に触れてもっとこういうところを見せて欲しかったなぁ。多くを語らないことと肝心なことを言わないことは違うぞ。 さて一方の弟子ーズは相変わらず鍛錬の日々。 しかし、なんか恨みでもあるんじゃないかってくらい京介のヘタレ描写は徹底的。特に文系トロフィーを持ってくるくだりなんかは痛々しくて直視できない勢いだ。むしろソツなくこなしている明日夢がどんどん霞んでいくんですが。 つうかいい加減持たせたらどうだ、携帯。 仮面ライダー響鬼 四十四之巻「秘める禁断」 今はイブキのサポーターだから連絡が行くのは当然かもしれないけど、それはザンキさんに死ねと言ってるも同然……!
そういう訳でザンキ&トドロキ師弟絡みもいよいよ佳境。体に鞭打って戦いつづけるザンキさんにとうとう最後の時が。「ヒビキさぁん!」じゃなくて遺体をまずなんとかしてやれイブキ。 しかし死んだと見せかけてザンキは、怪しい儀式によって返魂の術とやらをかけていた模様。てっきり「命と引替えに最後の変身を!」的なものかと思っていたが、どうやらもっとヤバそうなことをやってたらしい。トドロキのためにそこまでやるとはなぁ。さすが普通じゃない絆で結ばれた師弟は伊達じゃないぜ。 そこまで師匠に愛されちゃうと日菜佳なんか要らないわな。正直うるさいし。 さて正式に弟子になった明日夢には、陰陽環なる装備が進呈される。誰でも簡単に式神を操れて、木の幹ぐらいは抉れちゃう凶器だ。いきなり盗まれちゃうけども。 願わくば、盗ったのは京介でも使ったのは彼でないといいのだが。いずれにせよ鬼の力で彼がやりたかったことはこういうことだろうって気はするけど、ホントに実行しちゃったら救いも何もあったもんじゃない。 それにしても運動音痴がバレたぐらいで転校しなきゃいけないなんて、前の学校でもどんだけ調子に乗ってたか目に浮かぶようだ。 四十五之巻「散華する斬鬼」! ……分かってるけどでも断言するなよう。 仮面ライダー響鬼 四十五之巻 「散華する斬鬼」 まぁそんな訳でタイトルどおりザンキさん散華編な訳だけど……。 ぐむう、これでいいのだろうか。これで。 まず返魂の術というのが些か興醒めなのだ。響鬼における人の死ってもっと確実で救済の余地のないものだったのではないか。男塾じゃあるまいし。 生き返るという反則技にこれといったリスクが設定されていないというのもどうか。「永遠の闇」って?それこそ敵方の鬼になって再登場っていうなら分からんではないが、仮にそれを語るには残りの話数が少なすぎるし。 変身がザンキの命を縮めることをトドロキが知る、ってだけでも十分成り立った話だと思うのだが。 また、トドロキが復帰しちゃったのも奇跡というには突飛すぎるんじゃないか。一応猛士ゆかりの病院なんだろここだって。鬼に詳しい医者なら、鬼の回復能力がどれほどのものかある程度は知っているだろう。その医者が診て再起不能と診断したってのはよほどの重傷だったんじゃないのか。それなのに気合と根性で立ち上がっちゃうのか? それなら回復の可能性があることぐらい匂わせておいてもいいじゃん。だってそのせいでトドロキは「復帰できないなら死ぬ!」とまで言ってるんだぞ。 どうも全体にどういうことが描きたいのかアンバランスな印象で、素直に「ザンキさん逝かないでーっ!」っていうよりは「なんだこりゃ?」っていう煮え切らなさばかり感じてしまったのだった。残念だ。 ついでに言えば、京介が動きすぎでますます明日夢の存在が薄くなってってるんだけどあれはあれでいいのかね。 「とにかくこれはオレが使う!」って、良いか悪いかはともかく京介はキャラ立ちまくりだな。どんだけ盗人猛々しいのか。 あと、ひとみが所属するボランティアのくだりとか凄く気になるんだよな。ありゃ何が言いたいエピソードなんだろうなぁ。「いや僕なんかじゃちょっと……」って、いや絶対鬼になるより向いてるよ。 「どうして鬼になりたいんだ」発言とか聞いてるこっちがハラハラだったけど。だってホントにどうして鬼になりたいのか全然わかんないんだもん。 仮面ライダー響鬼 四十六之巻「極める鬼道」 さてラスト三話ってことで言わば最終シリーズなんだけど……。 どうも居心地の悪い落ち着かなさを感じてるのは俺だけだろうか。 敵の目的が知れない、ってのは平成シリーズになってから良くある構造なのでもう気にはならないのだが、それにしても自我を持ち始めた童子と姫はさすがにいまさら?って気がするなぁ。 オロチ関連にしても、大地を清める必要が〜とか太鼓を使用して〜とか、例の清めの場所が発見されてからそんな話が出てくるのっておかしくないか。もともとそういう話が伝わってて、場所を探そうっていう伏線でもあったならともかく。そもそも一人でやらなきゃいけないことに必然はあるのか? 状況を鑑みても、この際他の地域をそっちのけにしてでも鬼を集結させて、周囲を警備してイブキの儀式を守る、ぐらいの対応を打てないものか。とてもじゃないが猛士が本気でオロチに対処しようとしてるようには見えないんだよな。 また、現実に魔化魍っていう存在が白昼堂々街中に現われるようになっていながら、あんまり世間に変化がないっていうのもちょっと物足りない気がする。かつては街に童子と姫が現われただけであんなに異常事態だ、って強調してたのに。せっかく学校の描写とか久しぶりに出てきたんだから、先生の口から一言そんな話が出るだけで違ったと思うんだけど。 ついでに明日夢。彼はこのまますべてが中途半端な存在で終わってしまうのだろうか。 ヒビキが京介を無理矢理復学させたのはよく分かるが、実際京介の論理も間違っている訳ではない。そりゃ修行に集中する方が早く鬼になれるのは確かだろう。だからパネルシアターやらに参加しようという明日夢にそれで務まるのかと一言いいたい気持ちは分かる。そもそもブラバンはどうしたんだ。 問題は、京介に対抗して流されるように弟子になったことも然り、モッチーに言われるまま流されるようにパネルシアターに参加したことも然り、明日夢が番組開始当初から何にも変わってないことなのだ。 あと二話しかないんだよなぁ。響鬼は違うと思ってたけど、結局煮え切らない最終回に行き着いてしまうのだろうか。あああ。 別に深い意味はないんだろうが、モッチーがいきなりボランティアに参加しちゃってることもなんかそこはかとない不気味さを感じる。それ自体はいいのだが、ボランティア活動に参加しないことを悪だと表現するのはやめてもらいたい。小さい女の子が母親のボランティア活動を「正しいこと」と信じて疑わず、それへ参加を「助ける」と表現するのも個人的には何だかイヤだ。 ところで、明日夢の出席日数が足りないってどうして? ヒビキが学校を休ませてまで修行をさせてるとは思えないし、何やってんだアイツは。 仮面ライダー響鬼 四十七之巻 「語る背中」 ええと……なんだろうな、これは。 あんなに好きだ好きだ言ってた作品だから手のひら返したくないのだが、どうにも……。 やっぱり一番引っかかるのは明日夢だなぁ。 確かに直美ちゃんの病気は不憫だ。だがそれを利用して「パネルシアターをやって欲しい」と言われれば、そりゃ大概良心ある人間なら無下に断ることはできないだろうよ。そうだと分かるだろうに、そのやりとりを傍観する母親もどうかしている。また、その段階にあってもモッチーにつつかれないと返事が出来ない明日夢のヘタレぶりにはもはや呆れる外ない。 結局、いずれにせよ鬼になりたいという明日夢の決意がただただ生半可なものだったということを垂れ流すだけのエピソードに成り下がってしまってないか、これ。 一生の問題だからこそ、簡単に決断できないってのは当然のことだと思う。だが、作品として、エンタテイメントとして、ここでそれをぐじぐじ悩まずに済むよう今までの一年間があるのではないのか。 童子と姫も散ってしまったな。何のための自我だったのか……。 清めの儀式も始まっちゃったけど、こんな重要なこと結局3人だけでやっちゃうの? ……次回最終回。あああ。 仮面ライダー響鬼 最終之巻「明日なる夢」 さぁ泣いても笑っても最終回だ。 お話は一気に一年後、オロチを鎮めて比較的穏やかな日々を取り戻したたちばな…… えええええ!? あの状況で? 3人だけで? オロチを? 鎮めた? え? 明日夢は 医者になる? そっち!? パネルシアターは!? え? 京介? 近!! ドコにいたんだよお前!? いまさらモッチーをさらう!? 京介もう変身できるの!? 着替えはどこから!? なんでモッチーの居場所が!? こんな状況でモッチー生きてるの? こいつらも傀儡なの!? 戦闘中に近づくなよ! 完ー!!?? 以上リアルタイム感想でした。 ……いろいろ言いたいことがあるけど、総括は別アップしまス。 仮面ライダー響鬼 終了に寄せてグダグダいう まぁそういう訳で終わってしまった響鬼なんだけど…… うーん。残念。 今年こそは終わらないでーっ!って言えるかと思ったんだけどなぁ。ようやく終わってくれたか、っていう感覚しか持てないのが物悲しい。 一応一年間、毎週30分割いたものとしては何か言う権利があると思うので、とりとめなく「こうだったらおもしろかったのになー」ってのを書き殴ってみようと思う。 1. 明日夢にもう少し存在意義価値があればよかったのに いわゆる群像劇としては非常に面白い立ち上がりだったと思う。特に鬼の師弟関係であるとか、魔化魍の発生を予測・探索して殲滅するという今までに無い戦闘の描き方など、「鬼VS魔化魍」については先の展開に期待が持てる要素がいくつもあった。 ただ、それらを統括し牽引していくべき主人公・明日夢自身がほとんど蚊帳の外にいて、まったく分離した別ストーリーを進行させていたことで、結果的に前半を散漫なエピソードの羅列にしてしまったことは否めない。 「鬼」が師弟関係を組んだ上で継承されていくものだという設定が出た段階で、もはや明日夢がヒビキの弟子になることは必然だと思っていた。と言うよりそれがないことには、あまりにも明日夢というキャラクターはつまらなさ過ぎる。 彼は性格的に温厚で、やや消極的な部分はあるものの対人関係に悩むほどのものではなく、進学した高校にも問題なく馴染んでいる。母子家庭だが明日の生活に困るほど貧窮もしていないし、母親との関係も良好。学力や体力も飛びぬけてはいないが不足も無く、なによりブラバンと一緒に活動できるからなんて理由で演劇を辞めチアに入っちゃうような女の子が身近にいたりする。 「何かが変わってきました」ってのが前半の明日夢の決まり文句だけど、ヒビキとの出会いが彼に与えた変化は結局のところ知り合いが増えた程度のもので、ヒビキに触発されて積極的に修正すべき欠点が何もないのだ。 加えてその学生生活でも、「盲腸で入院」だの「万引きを目撃」だの「ブラバンでレギュラーを外される」だの何だか日記みたいなことばかりが続き、およそ命懸けで魔化魍と対峙している鬼たちの活躍とは釣り合うとは思えない。 もっと早い段階で弟子入りするという展開では何故いけなかったんだろうか。 それならば、鬼の修行を始めて精神的にも身体的にも強くなっていく明日夢を表現する場として、高校生活の描写がもっと活きたのではないか。友達から「アイツ最近変わったよな」とか言われてみたり、ひとみがまたちょっと明日夢に惚れ直してみたりという「客観的な評価」は、見た目にそれほど急な改造を施せない生身の役者の「変化」を、視聴者に認知させる絶好の手段になるはずだ。 また弟子になってさえいれば、せっかく「同い年で同級生で鬼弟子仲間の女の子」のあきらとか、「ひとみの従兄弟で先輩弟子」のトドロキとか、何にもないのがおかしい級のイジり甲斐のありそうな設定を持ったキャラクターとの交流をなぁなぁにせずに済んだはずなのだ。 特にあきらが勿体無い。彼女と明日夢の関係にちょっと動揺するひとみ、みたいな片鱗はあったのに、とうとうこの三角関係は三角関係と言えるところまで発展せずに終わってしまった。最初嫌われるところから入ってるんだから、ベタでも何でもあきらの気持ちが少しは明日夢に向いて欲しかった。つうか向かなきゃいけない。 「あのヘタレ!」と言ってたのが次第に「なかなかやるじゃない」的に移行して、最後は「ダメよ、安達君には持田さんがいるのに!」ってなところまできたらどんなにか。どんなにか。ああ、見たかったなぁ。 主題のひとつだと思われる「少年は強さを知る」についても、一体何のどういう強さを知ったのか分からない。 進学に悩んでことも、ブラスバンドで楽器はもらえなかったことも、万引き少年に負けたことも、すべてがなんとなく収まって、明日夢の中では解決したことになってるんだろうか。最後くらい、「医者になるから鬼を諦めます!」って言ってくれたならまだしもなのになぁ。「どうしたらいいと思います?」ってヒビキに問い掛けたまま一年経ってしまったのでは、ヒビキに突き放されたから修行に戻りづらくて他のこと始めちゃったようにしか見えないんだもの。 2. 魔化魍VS鬼の味気ない戦闘描写はどうなのか 響鬼における個人的なベストバウトを挙げるとするなら、 @ VS 乱れ童子 A VS 武者童子 B VS カシャ になるだろうか。 あいにく巨大魔化魍は印象が薄くてあまり記憶に残ってない。 毎週の感想でもずーっと言ってたけど、どう頑張っても戦闘シーンは童子・姫戦の方が勢いがあって面白いのだ。特に具体的な威力を持った武器(ちゃんと切断能力を持つ刃物だとか)による戦闘描写はなかなかの緊迫感があって見応えがあった。 これが魔化魍戦になると途端に「作業」のレベルに落ちる。結構いろんな魔化魍が登場したけど、これらは地上型か飛行型かって以外に、行動パターンや性格的にはあまり特徴が無いので、大体似たようなヤラレ方に落ち着いてしまうのである。 「音撃」が奇抜すぎて、描写に迷走していたことも大きなマイナスと言えるだろう。特に響鬼の音撃打のシーンでは早回しが多用されていたが、素早さを表現するというよりむしろせわしなさとか余裕のなさに見えてあまり格好良いとは言えなかった。そうやってバタバタ倒された魔化魍もまた、あまり強そうに見えないのは必然だ。 せっかくだから基本的に説明不足な「猛士」という組織をもっと活かせなかっただろうか。例えば発生条件に関する様々な資料を持っているなら、好物(人間だけど)や弱点についてもある程度調査が進んでいて、おびき出して足止めして弱らせてから音撃を叩き込む、みたいに倒すためのノウハウをきちんと持っているとか。つまり、作業にするなら徹底的に「駆除」として描くのもアリだったのではないかと思う。そうすれば後半、未知の魔化魍が発生した時でも分析とか作戦立案だとかで鬼をサポ−トすることができて、組織を魅力的に描けるうえに、魔化魍にもっと具体的な存在感を与えられたのではないか。 3. 京介を筆頭にする改変後の有様 前半を見る限り、明日夢を鬼にしようなんて気持ちはスタッフにもなかったんじゃないかって気がする。 そういう意味では、明日夢を鬼へ向かわせる起爆剤として京介という存在は不可欠だったかもしれない。あの段階から明日夢を鬼に向かわせるのはさすがに遅すぎる気がしないでもないが、もし仮に2年目という構想があったなら決して遅い立ち上がりではない。 だがこの京介があまりにも曲者すぎた。圧倒的な存在感でたちまち明日夢を食ってしまい、まるで主人公のように幾多の欠点を抱え、積極的にヒビキと絡み、先走り、足掻いて、舞台の中心に居座り続けた。終いには正式にヒビキの弟子になり最終回では変身までしてみせる。明日夢に期待された役割を全部担ってしまったのだ。 また、それに追い討ちをかけるように脇役の鬼師弟たちにも問題が噴出し始める。鬼でありながら道を外れた朱鬼の存在、鬼を諦めるあきら、師匠であることに悩むイブキ、再起不能を宣告されるトドロキ、そして弟子のために散華する斬鬼。これらは各エピソードとして非常に面白いんだけれど、響鬼というひとつの物語には何の影響ももたらさない。この事件を受けて、鬼の使命や厳しさを知り決意を新たにする存在、要するに「弟子になっている明日夢」がいてこそ意味があるエピソードなのだ。だが当の明日夢はこの時期ただただ影を薄くしてゆくばかりで、ザンキの死はおろかトドロキの入院すら知らないんじゃないのか、っていう存在にすぎない。 クローズアップする部分を間違えてしまったのではないか。あのラストに至るために京介を投入したのならば、語られるべきは「何故明日夢が鬼をやめるか」だったと思う。例えばトドロキの負傷やザンキの死なんかは直接的に医者という職業に繋がる絶好の要素だと言えないか。体力的にはともかく、気質や意欲において京介は明日夢より鬼に向いていると言える。それを鑑みて、むしろ傷つき倒れる鬼を目にしてきた明日夢は、医者として猛士をサポートする道を選ぶ。いずれにせよ強引ではあるが、出会ったばかりの難病の女の子を救うためってよりはよほど納得がいく。 4. 全部ぶん投げた最終回 明日夢、ヒビキ、鬼、魔化魍、男女、猛士、オロチ、師弟関係、恋愛関係、etc… 迷走の末に迎えた最終回は、とうとう何一つ結論を出すことなく、すべてを放棄して落ち着いてしまった。 なによりまずオロチ。 特に伏線もなかったならまだしも、わざわざ敵側から「鬼を集めろ」なんて言わせておいて結局レギュラー三鬼しか投入しないとはどういうことだ。これ見よがしに並んでポーズを取るオープニングの映像は何も暗示せずに終わってしまうというのか。そんなのないよ。 しかもこれが魔化魍との最終決戦なはずなのに、その決着についてまったく描写しないって話があるんだろうか。あんな絶体絶命のシチュエーションからどうやって清めの儀式を完遂するのか、一番肝心な部分なのに。 本来イブキが行うはずの儀式を勝手に始めてしまったヒビキついてフォローもないし、イブキ自身のそれに対する感情の描写もない。正直それが無いんだったら、香須実とイブキのくだりなんて完全な蛇足じゃないか。余計なことするぐらいならもっと儀式に時間割いてくれればいいのに。 おまけにとうとう他の鬼たちについてはドコで何をしているかっていう情報での出演すら機会を与えられないなんて。 潔くオロチをすっ飛ばしたからといって、その後の登場人物たちの動向についてじっくり描いているかというとそれもなんだか説明不足。特に明日夢の心情については不可解なことが多い。また弟子になれ、とヒビキは明日夢に言うわけだが、そばにいることでヒビキをあてにしてしまう自分から脱却するために彼はヒビキのもとを離れたんじゃないのか。ここはそう言われても、「いえ、一人前の医者になってから、またヒビキさんに会いにいきます」ぐらい言って欲しかったな。 いっそ10年後ぐらいでも良かったのに。医者になって、猛士専属として再びヒビキの前に現われる明日夢、なんてちょっと感動的じゃないか。そんな明日夢の傍らには同じく猛士の所属としてサポーターになったモッチーの姿が。それだけあれば既に鬼へと変身している京介もまぁ納得できるし、イブキやトドロキがそれぞれ結婚したりしててもおかしくない。そしてこの10年現役でありつづけたヒビキは、そんな明日夢を見て「京介を頼む」と引退を決意するのだ。ああ、そんなんだったらいいラストだったのになぁ。 ついでに魔化魍側についても、さらに黒幕が登場するという小ずるい展開で幕。その目的も意図も、オロチを阻止したかったことすらもすべて謎のまま。 ううん……なんだかなぁ。 ・ 総評 あえて言うけど、でも好きだった。響鬼。 新生にこだわりすぎたせいか、ストーリーテリングがおろそかになってしまったこと。音撃が子どもにどう受け入れられるか読みきれず、玩具との連動に失敗してしまったこと。かつてない設定を取り入れすぎて、広げた風呂敷を畳めなくなったこと。それらは失敗と称されるかもしれない。 ただ、意欲的に新生を目指したスタッフの皆さんには素直に敬意を表したい。 シンプルで配色も地味だけど、それでも素晴らしく洗練された響鬼のデザイン。またその特徴として非常に印象的な音撃棒。肉体の変異として変身を描く試み。CG技術を余すところなく見せつけたディスクアニマル描写。どれをとっても歴史に残る挑戦だったと思う。 だから、俺はもう平成ライダーシリーズに対して「仮面ライダーらしさ」を求めない。 仮面ライダーというブランドが、意欲的な作風にでもある一定の利益をもたらしてくれるのなら、逆にこれまで見たことのないヒーローを生み出すのにこんなにありがたい土壌はないんだろう。そう考えることにする。 つうか6作目にしてやっとそういう風に思えるようになった。 どうかこれを受けてちぢこまらないで欲しい。 むしろ「うわ、響鬼の比じゃねえ!」ような、荒唐無稽なライダーを作って欲しい。それでこそ、志し半ばで倒れた響鬼も浮かばれるというものではないだろうか。 |