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 お笑いライブ探訪記


2006/7/12

 
Live! チクる 2006 in仙台 7/9 Zepp仙台

 もはや個人的な夏の風物詩となりつつある、松竹芸能若手芸人ネタ見せ興業「Live! チクる」に行ってきました。

 芸人がいっぱい出るだけ、なライブはこのところ少し食傷気味で足が向かなかったんだけど、チクるだけは別です。

 そう、俺はチクるの持っている「全体通して一個の公演」なカンジが好きなのだ。

 やっぱりね、いくらライブだっつっても、「個々のネタ発表会」の域を出ないんじゃエンタ見てるのと大差ない訳で。そこに居合わせた観客と過ごす限定されたこの二時間が、特別な時間だったと思わせて欲しいわけですよ。

 その意味では、今回もチクるはチクるでありました。普通に面白かった。

 ラインナップはいつも通りのますだおかだ、アメリカザリガニを筆頭に、オジンオズボーン、ベートーヴェン、T・K・O、OverDrive、チョップリン、安田大サーカスの8組。

 やっぱり最近露出が多いせいか、のっけからオジンオズボーンが結構な盛り上がり。個人的には微妙なシチュに果敢に挑もうとするチョップリンが大好きです。

 あと公演を重ねるごとに安田大サーカスがどんどん自由になっていく。ピンで放るとどうしようもない団長だけど、あの3人で絡んでる姿は光ってるなぁ。正直ネタとしてはグダグダもいいところなのだが、安田大サーカスなら許せるから不思議。

 で、真打アメリカザリガニはやはり圧巻。面白ぇなぁアメザリ。若干シモ気味のネタはライブならでは。やりすぎにならないさじ加減は良い感じでした。

 一方のますだおかだは……ううむ。
 ぶっちゃけて言えば、酷い出来としか言えない内容です。冗長でヤマがなく、単調でひねりのないネタの羅列。ライブでこそ本当の面白さを発揮するコンビだと思っていたのだが、今回は片鱗が見られず残念。

 全員参加の企画ネタも順当な面白さだったけど、進行は岡田じゃなく柳原にやって欲しかったなぁ。岡田が悪いとは言わないが、人数が多いだけにツッコミの瞬発力がある人の方が舞台が締まったかなーと思います。

 ということで、ちと煮え切らなさを残しつつも満足のライブでありました。


 そんでもってテンションあがったついでとばかり、久しぶりに焼き肉へ。
 豚トロうまー。


2006/5/6

 
生よゐこに会いに行く

 スカパーでえらべる15チャンネルが始まってからCSのフジテレビ721を視聴してるんですけどね。中でも「ゲームセンターCX」がお気に入りでして。

 いや、前から只者じゃないとは思ってたけど、ここ最近の俺は有野晋哉その人にメロメロ。

 あの番組内における絶妙な緩さと、素朴にも程があるツッコミの魅力に完全にハマってしまった。思わずライブDVDも片っ端から見てしまったりして。

 そんな有野晋哉の魔力的な面白さに取り憑かれたものとしては、単独ライブと聞いて黙っていられる訳がないじゃないですか。つうことで行ってきましたよ。


 新作よゐこライヴ2006 〜笑わなくてもえぇんやでぇ〜 5/6 18:00 新宿明治安田生命ホール


 とりあえず見終わっての第一感想は、ゆるかったなー、と。演者も観客も。

 特に気になったのは妙に騒がしい客席。いつまでもガサガサ鳴らしたりなんか喋ったりしてるヤツがいるですよ。舞台上が無法地帯でも観客は真剣に見てろよもう。

 で、舞台そのものは、DVDで見る10年前のよゐことは毒の濃さが違うと思うけど、やっぱり面白い。
 冒頭ですべてのネタを振っておいて、一連のネタが繋がっていくのは好きな構成です。

 無茶な舞台設定を用意して、コントの中で状況を説明していく秀逸さは健在。ここら辺に絶妙なラーメンズ臭が漂っていて、俺の琴線に触れたのもこういう部分なんだなーと改めて思ったり。

 何よりも、有野が素晴らしくいきいきしてた。多分あのヒトはメインに据えて好きにやらせた時が一番面白い。

 ライブの定番、アンケート用紙も渡されたので、「どうかこれ以上ブレイクもせず消えもせず、今のままのよゐこでいてください」と率直なことを書いてきたが、それを言われたところでよゐこのさじ加減でどうにかなることじゃないなぁと後から気付く。
 どうも自分で思うよりライブ終わりの俺は浮かれていたらしい。


2006/2/13

 
キング オブ コメディ単独ライブVol.4〜ハンディキャップ〜

 相変わらずパソコンは死んでますけど俺自身はこれでもかってぐらい生きてます。

 そんなわけで2/11はキングオブコメディ単独ライブを観覧し、無事帰還してまいりました。

 いや、それにしても面白かった。すげえ面白かった。

 もともと数少ない地方公演やテレビ出演でキングオブコメディを見るたびに「絶対俺はこの芸人が好きに違いない」と淡い恋心を抱いてきた訳ですけども、今回のライブはそれが揺るぎないものに変わりました。いいよ。最高だよキングオブコメディ。

 (以降ネタバレとか)

 ここ二年ぐらい足しげくお笑いのライブに通ってたけど、自由席だったのは今回が初めて。
 整理番号順に並んで〜とか段取りはめんどくさいものの、ある程度自分の好みで席を選べるというのはなかなかいい感じ。せっかくだから前の方がいいなーと思ってそのようにしたのはいいが、いささか舞台が低めなのが災いして演者が座るとほとんど見えないのが難点。これは教訓として胸に。
 後ろの人に申し訳ないと思いつつ、無駄に備わった座高を駆使させてもらいました。すいません。

 さて肝心の内容。
 構成は生身のコント&映像での企画モノが交互に披露される形。

 相変わらずシチュエーションによってお互いがボケにもつっこみにもなる変幻自在ぶりだけど、個人的には高橋健一の無表情なツッコミが好きだ。
 何が良いって間がいいんだよな。間が。つっこむ前にちょっと発言を反芻して一拍置く感触が。
 ちと滑舌が悪くて早口だと聞き取りにくいところもあるので、やはり全体的に落ち着いたコントの方が安心する。単に「うんこ」を連発するおばさんにオチを任したりする奇想天外さも心地よい。
 

 実際のところテレビでもネタ番組への出演が主なのであまりバラエティでのキングオブコメディってものを見る機会がないけど、今回の映像ネタを見る限りでは十分やっていけそうな気配を感じた。キングオブコメディは素の状態からだいぶおかしい。特に高橋。

 彼が意地汚いことを検証しようという企画で、相方今野の昼飯を掠め取る様を延々収録している映像ネタがあったのだが、問題は当然収録されていることを知っているはずの高橋が、ある程度の誇張があるだろうとは言えあまりにも最低な人間像を晒しているということ。むしろ感心する。

 なんだかんだで一番面白かったのは二人で一般参賀に出向く企画だったけど、どこでツボったかはとてもここでは書けません。


 それぞれの尺は短いけど、コントは7本あったし映像ネタもかなりバラエティに富んでいて見ごたえは十分。
 是非とも今後のライブにも赴かせていただきます。

 やっぱし単独は濃くて良いわ。


2006/1/21

 
おでかけルミネtheよしもと in仙台 1/15 仙台サンプラザ

 本年一発目、且つ半年振りにラーメンズの絡まないお笑いライブへGO。

 今回のラインナップは、麒麟・POISON GIRL BAND・まちゃまちゃ・次長課長・レイザーラモン・レギュラー・笑い飯・ロバート と、なかなかに豪華。ロバート効果なのかHG効果なのか、仙台サンプラザが超満員になる客の入り。

 さて、肝心な内容についてだけども。
 うーん……お笑い過剰供給の弊害と言うべきか、やっぱりライブ用に新ネタ書き下ろしって訳にはいかないみたいで、ほとんどがどっかで一回見た内容だったのが悔やまれる。特に次長課長は大晦日の「お笑いネタのグランプリ」で披露されたのと同じコントで、ちょっと時期近すぎたなーという印象が否めない。
 初見はレイザーラモンのみ。あくまでコンビとしては、だけど。これもHGのフリートークが中心なのは順当な構成と言えるけど、せっかくコンビとして登場したならネタが見たかったところだ。なにより相方が中途半端にHGを意識したボンテージで登場したのは大きなマイナス。HGが売れすぎて立ち位置に迷っているのは分かるのだが、一番行っちゃいけない方へ転がろうとしてないか。絶対普段着で登場して「相方フツーだなー」って言われてる方がまだマシだと思われる。会場若干引いてたし。

 今回のライブでは、出演芸人参加の企画コーナーの類はナシ。潔く全員ネタを披露したところで終わってしまった。いいんだけど、ちょっと物足りない。なんとなく印象が散漫になってしまって「ひとつの公演」を観たって気がしないのだ。全部で二時間ぐらいなのに何故か途中で10分間の休憩を挟んだりしてせっかく盛り上がった会場がクールダウンしてしまったり。トリがロバートなのは人気の面からもわかるけど、比較的落ち着いたコントだったので最終的にグワッと盛り上がって終了、とまではいかなかったり。演出の面でもちょっとズレてる気がしないでもない。

 また残念ながら座席が3階席だったので、あまりライブ的な一体感を味わえず。会場が広いっていうのはホントに良し悪しで、ここじゃどう頑張っても1階席と同じ盛り上がりにはならないんだなこれが。せめて場内をもう少し暗くするとかの配慮をしてくれると良いのだが。他の観客の様子とかよく見えちゃって、ライブに集中できないんだよ、どうも。

 ついつい比較してしまうが、イベントとしては松竹芸能の「Liveチクる!」の方が良く出来てると思った。新宿ルミネでの舞台を見たことがないので、コンセプトの違いと言われればそれまでなんだろうけど。

 でもこれで、俺のライブ熱も少し落ち着いた気がする。今年はあまりミーハーっ気を出さず、見たい芸人を絞って参加することにしよう。


2005/8/28

 
Live!チクる ツアー2005 in仙台 8/27 宮城県市民会館

 昨年に引き続き松竹芸能ライブへGO。前の目当ては安田大サーカスだったけど、今年はむしろ前回素晴らしく面白かったアメリカザリガニとますだおかだが楽しみで。

 客の入りを見てるとまだまだ若手お笑いブームも過熱中だなって感じがする。老若男女入り乱れて、前にもまして多種多様な客層だったのが印象的。

 ラインナップはますおかアメザリを筆頭に、安田大サーカス、OverDrive、オジンオズボーン、DA-DA、T・K・O、チョップリン。
 前半の個別ネタでは初見のDA-DAが割と好きな空気感で面白かった。OverDriveやチョップリンは知っているイメージからするとややおとなしめだったかな。安田大サーカスもこの一年で、ネタにフォーマットがあることを逆に活かし始めたのは大きな変化。
 しかしやっぱりますだおかだとアメリカザリガニは圧巻だったな。尺が長いせいもあるんだろうが、この2組見るだけでも来る価値アリと思える。

 ひとつ残念だったのは、席が比較的前の方だったせいか後半の企画コーナーで進行を務めた岡田の声が全く聞こえなかったこと。なんかしゃべってるんだけど顔があっちを向いてるとさっぱり耳に入ってこない部分が多々。

 あと客のテンションがなんか妙で、おかしなところで歓声を入れたりするのがマイナスか。慣れたもので演者がうまくかわしたり取り入れたりしてくれるのでぶち壊しになるようなことはなかったが。

 何はともあれ面白いことは面白かったので大満足。また来年も来てくれればいいなぁ。


2005/6/12

 
baseよしもと ガンガンツアー2005 Zepp仙台

 飽きもせずお笑いライブへ出撃。
 今回のラインナップは麒麟・笑い飯・千鳥・南海キャンディーズ・アジアン・イシバシハザマ・レギュラーの7組。目当てはやはり南海キャンディーズ。あと千鳥も割と好きだったりする。
 実はチケット予約開始日を勘違いしてて、一日遅れで予約入れたら
二階席の最後尾という後が無い席になってしまった。もう15分遅ければ売り切れてたかもしれないことを考えると、ラッキーだったと言うべきか。案の定客席は満員で、立ち見も出る盛況ぶり。
 なんとなく腑に落ちないのは強制ドリンク購入。500円でワンドリンク買わないと会場に入れてもらえないのだ。何? この制度? 普通なのか? 出てくるドリンクも単なるペットボトルだし。納得いかん。

 それはそれとして肝心のライブは、トップバッターからいきなりレギュラーを投入。もちろんあるある探検隊をかまして会場は一気にヒートアップ。場を温めるという意味ではこれほど適任はいないかも。ネタそのものは案外短く、ホントに温めただけで終わった感じ。隣にいた子どもの客は、
じじいのなれそめエロすぎるというネタの意味がわからず首を傾げてた。
 どれも順当に面白かったけど印象に残ったのはイシバシハザマ。何度かテレビでネタを見た覚えはあるけど、改めて面白いと思った。タイトルを最後にいうショートコントとでも言うのか。それが好みのスタンスなんだよな。

 知名度高い側の後半勢も順当な面白さ。期待の南海キャンディーズも、見れば見るほど面白くなってくようで嬉しい限りだ。トリは麒麟だったけど、会場から川島さーんとか声援が飛んでも一切応えないのがポリシーなのか余裕が無かったのかわからん感じだった。つーか声援とかやめろ。それと興味の無い芸人だからって目の前で私語に興じるのやめろ。いややめてくださいお願いだから。

 最後は個人戦で、お題に適した一言を即興で考える企画コーナー。時間が押して終わりの方は脱落者を適当に決めてる感は否めなかったけど、でもやはりそれぞれ備わった実力があるんだなーという感じでグダグダにもならず盛り上がったんじゃなかろうか。

 うん。面白かった。やっぱり事務所主催の方が企画コーナーとかやってくれるから得した感があっていいね。

 仕事の谷間に入ってしまって金銭的に余裕が無いので、行きたいライブはあるけれどこれでしばらくはオアズケだ。
 8月の東京、GoldenBallsライブまでな! いくぜラーメンズー!


2005/3/21

 Laugh! 仙台公演 仙台電力ホール

 キングオブコメディ見たさでまたもお笑い公演に行ってまいりました。
 今回は吉本興業主催ってことで、他にインパルス、ペナルティ、バナナマン、エレキコミック、ポイズンガールバンド、そして南海キャンディーズという結構な布陣。しかもこの公演では
2列目のど真ん中っつーかなりの良席が入手できてしまったのだ。そんな訳でいつもよりワクワクしつついざ会場へ。

 仙台電力ホールのデカさを考えると先日のラーメンズの件もありやや不安があったけど、幸いにしてというか何というか芸人は皆マイク装備だったので声が聞こえないという弊害はなく。
 ライブにはいままでも何回か足を運んだけど、ちゃんと前説があったり司会者が出てきたりしたのはこれが初めて。しかも司会者は仙台圏の人間にはおなじみ「旬者」の司会者でもあるワッキー貝山だったりして、ここら辺も豪華といえば豪華と言えなくもないか。どうか。

 さて肝心の内容。
 いざ座ってみると想像以上に舞台が近くて、ペナルティとかは蹴られたワッキーが目の前まで飛んできたりと臨場感満点。逆に若干見上げる形なので些か見づらいという難点もあるにはあるが、その際それは小さな問題だと言えよう。
 残念ながらインパルス、ペナルティ、キングオブコメディは見たことのあるネタだった。特にキングオブコメディは去年の山形のライブと丸かぶりで、期待して多分だけダメージ大。まぁ何回見ても面白いことは面白いんだけど。
 またM-1で初めて見たときからそのネタの空気感にすこぶる惚れていた南海キャンディーズも生で見られて感激。
 ちなみにポイズンガールバンドはどうも生理的に好きになれない芸人なのだが、髪の長い方のひとは宮城出身なんだって。だからといってやはり生理的に好きになれないのだが。ネタは面白かったです。でも生理的に好きになれない。なんでか。

 後半は会場も参加しての企画コーナー。
 参加芸人を1人ずつ「新学期、同じクラスにいたらショック?」というアンケートに掛け、会場の拍手による多数決でYES NO に振り分けていくというもの。もちろん芸人には質問の内容を教えず、分けられた面子で質問の内容を推理する、という企画。
 案の定というか、谷井(エレキ)、山里(南海)、日村(バナナマン)あたりがYES勢に。結構順当に会場の拍手が偏るので少数派の方で拍手しづらいという面もあるのだが。
 この際企画がどうとかいうより進行を無視して舞台のハジのほうでなんかやってるヒマそうな芸人の姿の方が印象的だった気がする。ああいうのはライブ感があってイイなぁ。

 まぁそんな感じで概ね面白く堪能致しました。
 ラッキーだったのは、帰りにトイレに入った連れを待っていたらなんと舞台から楽屋に帰る芸人の一団に遭遇。別に声とか掛けたりはしなかったけど、思いがけず近距離で見れてなんか得した気分だった。それにしても同じ地平に立つとしずちゃんがリアルにデカい。180以上あるってのは本当なんだな。

 ようし次はLIVEチクる2006だ!



2004/11/28 

 
爆笑バトルライブ in 山形 山形県県民会館

 行ってきましたお笑いライブへ。昔からこのぐらいの頻度でライブなんてものが行われていたのかそれとも現在のブームに乗ってのものなのかは今年からライブ派に転向した手前には判断しかねるが、経緯はともかく開催されるからには行かねばなるまいて。
 とは言えいかに近場でもやっぱ誰かしら目当ての芸人がいないとなかなか足が向かないのだが、今回はキングオブコメディが出演するというので参加決定。レベルでいうとラーメンズの次ぐらいに好きな芸人だったりする。

 で、高速代をケチって一般道を峠越えすること2時間。山形県は県民会館に初上陸。会場の第一印象としては
座席が狭ぇ。東京本多劇場よりさらに余裕がない。縦はがっちり深く腰掛けても前の座席にヒザが当るし、横は同じラインに肩を並べられない。この体勢で2時間は比較的キツいなぁと思いつつ公演開始。
 今回の出演ラインナップはどーよ、マイケル、三拍子、キングオブコメディ、飛石連休、ヒロシ、アンジャッシュの7組。参加予定だったさくらんぼブービーがどーよに変更になっていたのが残念。割と楽しみだったんだけどな。ヒロシやアンジャッシュが不参加だったら大ブーイングだろうがさくらんぼブービーだけに大きな混乱もなく。

 さて肝心の内容はというと。
 楽しみにしていたキングオブコメディは、途中で今野の
肺がつる、というハプニングも交えつつ短いながらトーク、ショートコント、長コントとどれも順当な面白さだった。
 また緊急出演のどーよも、「エンタ」でのお母さんと園児ネタを見る限りではあまり期待は持てなかったがコントは実に面白かった。せっかくのテレビなのにあんなネタで出演してしまうのは何故なんだろうか。
 ヒロシのネタはライブではどうなのかと思ったが、スタイルが出来上がってる分、立ち位置が変わるだけでも笑いに繋げられたりと想像以上に応用の利くのだと再認識。トーク中に気が付いた些細なことも、例の姿勢を作って突っ込むだけで一ネタとして成立するのはなかなか面白かった。

 と、まぁおおよそ満足ではあるのだが、惜しむらくは既に見たネタが多かったということ。三拍子は仙台の地方ライブ「旬者」出演時に見てしまったネタだったし、ヒロシも7割近くテレビで披露したネタであった。またトリのアンジャッシュも前半は数回見た憶えのある「親友の母親と結婚」のコントで、後半は何故かショートコントという構成。シチュエーションコントの巧さを知っているだけに、ネタに捻りのないショートコントの乱発はまるでやっつけ仕事のようで残念。それなら持ちネタでいいからもう一本長コントが見たかったなぁ。
 実際ネタ番組が飛躍的に増えてそうそう新ネタばかり作れないという事情は分かってるつもりなのだが、「これはもう見た」と言ってチャンネルを変えられないだけにガッカリ感もひとしおな訳で。せめてテレビでやったネタぐらいは避けてくれてもいいのではないかと思ったり。

 またトリにアンジャッシュというのが結構厳しいチョイスだったと思う。確かにこのメンバーのなかでは名の知られた方だけど、最後にドカンと持っていくには些か爆発力不足が否めない。特に後半に持ってきたショートコントはライブ全体を通しての最後のネタだったにも関わらず、笑いが連鎖していかないので最後にワッと盛り上がって終わった、という余韻が残らずどうも尻切れな雰囲気だったのが惜しい。

 あと客の質の悪さがどうにも目に付いた。もう開演してるのにロビーでだべっててネタが始まってから入ってくるヤツ、ケータイで写真とりまくるヤツ、ずーっと隣の連れと「何に出てる芸人?」って聞いてるヤツ。お前らには舞台で真剣勝負してる漢達の姿が見えねえのか!?
 ついでに子ども連れの客が多かったことも災いして、ネタ中にトイレに立つガキがいるわいるわ。座席が狭いから一列全部立ち上がって出たり入ったりする様子がうかつに客席が明るいので丸見えだったりして落ち着かない。私事だが隣に座ったお姉さんがえらく興奮してていちいち奇声上げたり物凄く手を振ったりするのでヒジがガシガシ当たってああもうこのやろう。

 一言一句聞き逃すまいと客側も真剣勝負で臨んでいるラーメンズのライブに比べると、見に来てる客に楽しんで帰ろうという意識が希薄な感じがした。せっかくライブ見に来てんじゃん。お前が席立ったその時間は、録画で見ることの叶わない、絶対ここでしか見ることの出来ない時間なのになぁ。

 そういう風な不完全燃焼の残るライブでありました。でもやっぱりまた懲りずにどっかのライブを見に行ってしまうんだろうけどな。



2004/9/5

 
LIVE!チクる2004 IN仙台 

 今年初めてラーメンズのライブを見て以来すっかりライブ至上になってしまっているのだが、しばらく東京ではライブもKK公演もなさそうなので、そんな心のスキマを埋めるべく地元仙台のお笑いライブに目を向けてみる。
 そこで見つけた松竹芸能のイベント。安田大サーカスも参加するというので早速チケットを取ってみたのだった。

 会場はZepp仙台。さすがに地元なので車で会場入りできるのが何よりラク。やっぱり今ブームだからなのかなんなのか、結構客の年齢層が多岐に渡っていて意外だった。友達と男二人で行ったので女の子ばっかりだったら浮くなぁと話していたんだが、見た感じ男女比は半々で、割と年配の人も多く見かけた。

 安田大サーカスヒロのタイトルコールでスタート。ペットボトルをカンペにしながらも尚タイトルをトチったりするのだが、あれが許されるのは一つの武器だな。

 ラインナップはオジンオズボーン、なすなかにし、ベートーヴェン、チョップリン、T・K・O、安田大サーカス、ますだおかだ、アメリカザリガニの8組。出演予定だったOverDriveが急遽変更になったのはやや残念。

 まずは順当に一組ずつネタを披露。なすなかにしとベートーヴェンはTVでも見たことがなかったがコレといって強烈なキャラクターということもなく。でも面白かった。そして期待していた安田大サーカス。少なくとも完成度ではテレビ用のネタの方が高いと思うが、ライブってことを念頭に置いてネタを作っている感触なので、ここでしか見れないものを見た感じはする。積極的に客と絡もうとする姿勢は好きだ。

 そして真打、ますだおかだとトリのアメリカザリガニ。安田大サーカス目当てに行ったライブだったが、終わってみればやっぱりこの2組が断然面白い。格が違う。惜しむらくは多分彼ら目当てにきている人が多いせいで盛り上がりすぎて変な歓声を上げる人が多かったりすること。特にすぐ後ろの席の女の人がアメザリ平井が何か言うたびに可愛い可愛いと繰り返すのが鬱陶しくて仕方がなかった。芸人見に来るな!ネタを見ろ!

 後半は全員参加でのコント。タライのCMを作るというシチュエーションで、シャッフルして組ませたトリオにそれぞれCMを作らせる。題材が決まってる分ボケやすいし、アメザリ柳原が進行役で全員に突っ込むので、即興にありがちな澱み方をせず終始楽しく見られた。

 うむう。面白かった。やっぱ行ってみて正解。できればもう2時間ぐらい見てたかったなぁ。



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